勤務時間中に水２リットル飲んでみた

以下はトイレ日記です。

他人のトイレ事情に興味がある方向けです。

最近の勤務時間中はコント・「担当案件が発火した労働者」をやっている。

12月、コンビニエンスストアもスーパーもクリスマスソングを流して浮かれポンチ。

なのでひとたびオフィスから逃れてしまうと、書類が間に合わなさそうなことも会議がやり直しになっていることも、そこに圧迫されて睡眠がゴリゴリ削れていることも、なんだか全て冗談のように思えてくる。

とはいえまあ、残念ながら、担当案件が燃えているのも、私が労働者をしているのも、さもなければ生計が立ち行かないのも、全て「現実」です。サンタさん助けて！　助けて！！

心の中でサンタに助けを求めながら、自然発火した案件を赤子のように抱えて別部署へ火消し相談に行ったところ、よほど救いを求める顔色をしていたのか、別部署の社員の方がペットボトル入りの水をくれた。

期限切れのため廃棄になった非常用の水とのこと。２リットル。これを２本。

その日は合計４リットルを抱えて地下鉄に乗り、家路についた。

その翌朝も出勤日だった。

普段外食に金を使いたくないので、冷凍食品を購入して弁当を作り、水筒に夏は水、冬はお湯を溜めて会社に行っている。遠足気分。未だに気分がお子様なので、使用済みの弁当箱とか水筒とか、結構放置する。

その日も水筒を洗っていなかったので、代わりに別部署のサンタから貰った水入り２リットルペットボトル１本を小脇に抱えて会社に行った。

普段使用している水筒がだいたい１リットルで、定時２時間前に空になり「喉が渇いたかも……？」と誤魔化して生きていたところ、これにはちょっと驚いた。

自然体で飲水している時は、「業務時間中に１リットル飲んでちょっと足りない」ぐらいだったので、2リットルも水を持っていたら、定時前に追い給水をすることになろうかと見積もっていたからだ。

普段の生活、思いの他乾いていたのかもしれない。

午前はビル内を移動していたこともあってか下半身から意識が逸れており、たぶんトイレに行かなかった。

一転して、午後。一時間に一回は尿意がこみ上げ、内股でトイレに駆けていく。

成人した甲斐もなく、早くも決壊しそうなことから気を逸らすため、内股でトイレに向かいながら、（人間は午後になると、重力にぎゅっとやられるんだか何だかで身長が低くなるのと同じで、体液がすぐ下半身に向かうからこんなにトイレが近いのだろうか）というぐらいのことを考える。

ところで私が所属させて頂いている／収容されているオフィスはフロアの中でも奥まった場所にあり、廊下の果てにあるトイレに向かうまでに合計３つの扉を潜る必要がある。個室の扉を含めると４つになる。

トイレに行くのが、正直ちょっと億劫な立地。億劫が高じておしっこ我慢選手権を一人で開催していたところ、一回間に合わなくて漏らしたことがある。

その日自分が唯一の出勤者じゃなかったら、社会的な終わりを迎えていたところだった。業務でそそっかしいのは、「まあそう」でしかないんですけど、ここに「おもらし」の称号を加えて光らせながら、全体ミーティングで発言できる気がしない。

こういった経緯があり、尿意を感じたら多少面倒でもこまめにトイレに行くように心掛けた（し、ちょっとトイレ行きを渋ると本当にすぐ決壊しそうになるので、どのみちトイレには行った）のですが、結構バタバタ出たり入ったりしてしまって、静かなこのオフィスでなんか、悪目立ちをしている（気がする）。

同室の社会人さんたちは、何か知らんけど、みんな２時間とか３時間とか、平気で座り続けている（ように見える）。

その中でときどき、退室した後に苦い臭いになって帰ってくる人間。そして、数時間にわたるミーティングと、これから数時間にわたるであろうミーティングの合間（5分間）に、廊下へ駆け出していく人間がいる。

トイレから遠いオフィス、そして、分刻みのミーティングによって排尿がままならない環境。水を得るには自販機にたかる必要があるし、自販機に入っている清涼飲料水って水の代わりにはならないらしい。労働砂漠。

一方でオフィスっていうか、なんか、身体の作りから違くない？　という社会人さんもいる。

以前「数時間会議をやり続ける案件」に入れられてしまった時の私は、強い尿意に襲われると進行中の会議室から猛然と走り出たり、ウェブ会議になってからは会議中ミュートにして、勝手に排尿休憩に入っていたりしましたが、一緒にその会議に出席している社会人さんはもう、そんな素振り一切見せないわけです。

もうね、プロの社会人。会議に挑む凛々しい横顔。同じ生身だとは、とても思えない。尿意を消し飛ばす高性能チンプラントを入れていらっしゃるのか。あるいはその、手にお持ちになっている、その、コンビニプライベートブランドのジャスミン茶紙パックに……その…………（全て無根拠の妄想）

tanpa