こんにちは! 私は同人オタク。
こっちは壊れちゃった入稿ファイル
2024年1月6日から先日(4月8日頃)まで、二次創作小説同人誌の原稿を作成していた。
使用ソフトはMicrosoft Word2019
情報タブによると、ページ数154ページ、編集時間100時間(6000分)。
何故そんなことをしている? やりたかったから。
何でわざわざ同人誌(印刷代が高い)にしようとしているの? 視点によってフォントを変更したかったからです(伏線)。
ここで我流ですが、小説同人誌(本文)の作成方法を改めてご紹介します。
①Microsoft Wordに本文を打ち込む。
この時出版社のテンプレートを利用しますが、本文をメモ帳から流し込んだり書き進めたりしながら縦書き横書きを自由自在にくるくる回した結果、見開きページ設定が解除されたりとじしろが消滅したりするので、定期的に確認する。
②①で作成したWordファイルを、CubePDF(フリーソフト)を利用してPDF化する。
③入稿する。
何でWordで作成した同人誌原稿をPDF化する必要があるの?
そのファイルを作成したパソコン以外の環境でデータを開いた時、文字化けやレイアウト崩れが起こることを防ぐためです。
Wordで原稿作業をやったことがない人間には、「お前は何を言っている?」ということになろうかと思うんですけど、
そう言う場合は、「自分のパソコンで作成したWordファイル(フリガナやクリップアートの挿入等を行った重ためなもの)」を、Googleクラウドなりにアップロードした後、そのファイルをGoogleクラウド上で開くか、別のパソコンからダウンロードして開いて見てほしい。
そうするとたぶん、「文字は同じだけどレイアウトが大きく崩れる」という現象を見ることができる。時々、「文字化けを起こしていて本文も読めない」ということが発生すると思う。
これを印刷所に渡したところで困る。なので、Wordで作成した同人誌原稿は、PDF化してから印刷所に入稿をするし、そもそも印刷所の方も、「Word原稿で入稿可能」としているところはかなり少ない。
こんにちは! 私同人オタク。
こっちは壊れちゃった入稿ファイル(PDF)
原稿作成にあたっての使用ソフトはMicrosoft Word2019
情報タブによるとページ数154ページ、編集時間100時間(6000分)。
〆切が近くなったので誤字脱字のチェックに諦めを付けて、「②Wordファイルを、CubePDF(フリーソフト)を利用してPDF化する」の段取りに入ろうとしたら、PDFが壊れちゃった。
具体的に言うと、
- 154ページ(全ページ)を対象に印刷をしようとしても、頑なに25ページまでしか印刷されない。
- どこが印刷されないのかより正確にチェックしようとして、ページ先頭から10ページずつ印刷して行ったら、1回目(1~10ページ目)、2回目(10~20ページ目)は上手くいったものの、3回目(20~30ページ目)の印刷で、何故か1ページしか出力されなくなった。
- これ以降のページを印刷指定しようとすると、CubePDFがそもそも起動しなくなる。
何で?
ここで発生した不具合は三つ。
①Wordファイルが印刷できない(プリンターが選択できない)
②Word側で印刷指示後、CubePDFが起動しない。
③壊れちゃったPDFが出力される。
何が入稿ファイル(PDF)に起こったか?
順を追って説明しよう。
①Wordファイルが印刷できない(プリンターが選択できない)
→「Print Spooler側になんかトラブルがある?」せいだった。
私のWindowsは10ですが、
「プリンターとスキャナー」からCubePDFを選択して「デバイスの管理」を開き、「トラブルシューティング ツールの実行」を押したら「スクーラー?との接続を切るのがおすすめです」というポップアップが出たので、この接続を切った。
そうしたらCubePDFが起動し、Wordファイル上で選択できるようになった。
②CubePDFが起動しない
→「Print Spoolerが都度停止している」せいだった。
Wordの印刷画面からCubePDFをプリンターに設定し、「印刷」をクリックしても、誰もうんともすんとも言わないし、印刷タスクを表示するポップアップも出ねえ、という状態。
Windows7 64bitで印刷スプーラが停止する - Microsoft コミュニティ
このコミュニティ回答を確認しつつ、「サービス(ローカル)」の確認画面から「Print Spooler」を探し出して見ると、確かに「状態」ステータスが「実行中」になっていない。
これを選択した状態で右クリックを押し、再起動すると、Word上で印刷プリンター欄から消えたCubePDFを復活させることができるし、再度印刷を試みることができた。しかし印刷できたとして、③の問題が控えている。
③壊れちゃったPDFが出力される。
→これの原因は結論から言うと、「使ってるフォントが悪い(Wordを経由した形でのPDF作成に向かない?)」です。
「フォントが悪い」というところが明らかになるまで、以下の確認作業を踏んだ。
まずCubePDFの再インストール
無事アンインストールし、再インストールしたが、特に変わらなかった。
次に上ページを参考に、「C:\ProgramData\CubeSoft\CubePdf
」に蓄積されている.tmpファイルなんかを消してみるものの、特に意味はなかった(たぶんエラーを吐くごとに作成される一時ファイルのたぐいだと思う。)。
CubePDFのサポートには、Logフォルダ以下のインストールおよび実行ログを添付し、メールで一旦連絡してみるものの、この時点で最初に設定した入稿締め切りまであと24時間を切っている。 ※ネタバレ 結局この第一回の〆切は見送る(その結果印刷代がより割高になる)。
Windows7 64bitで印刷スプーラが停止する - Microsoft コミュニティ
Microsoftコミュニティには↑の質問があったんですけど、仮に印刷スプーラの問題の場合(つまりWindows側の問題であって、CubePDF側でどうこうという問題ではない場合)、たぶんだけどこれ、Windowsの再インストールが必要になるのではないか?
私はこれを過去に一回やったことがある。Wi-Fiが不安定な引っ越し直後にWindows更新をやってしまい、更新途中でネットワークが切断された為更新ファイルがぶっ壊れたから。
当時の私はパソコンに齧りついている学生同人オタク君だったので、必死こいて復旧したものの、データは全部初期化されていて、当時書いていた二次創作小説BL長編は消えた。
学生の身の上でも結構アレ大変だったので、できればWindowsには触りたくない。
印刷側の問題なのか原稿側の問題なのかをはっきりさせる為、かつてCubePDFでPDF変換することに成功していた別原稿(Word)をCubePDFで印刷したところ、できた。
PDF化に無事成功した過去の原稿と、今回の原稿で明確に違うポイント、それはフォントだった。逆に、その他の点はほとんど同一。何なら同じひな形から作成している。
今回の原稿では「視点によってフォントを変更したかった」ので本文に複数のフォントが混在していた。
MS明朝、丸ゴシックはどのWindowsにも標準装備のフォントなので問題ないとして、
1ページ目の題字に使用したマキナスはPDF化できており、
源暎こぶり明朝は過去の原稿で使用している。
幻ノにじみ明朝 ←これではないか?
どうしてもフォントを変えたくない。
今回の同人誌は視点によってフォントを変更しているし、その小手先をやりたいというモチベだけで原稿をしていたので、どうしてもフォントを変えたくなかった。
変更するにしたって、他の候補(うつくし明朝、はれのそら明朝、はんなり明朝)に変えてみたところで、同じように壊れたPDFファイルが出力されてくるか、さもなくばCupePDFが立ち上がらないか、或いはPrint Spoolerが停止するかのどれかのようだった。
CubePDF以外のPDFでWordファイルを「フォント埋め込み済PDFファイル」に変更できるか?
結論から行くと「出来なさそう」というのが回答だった。少なくとも、無料ソフトでは。
Wordに元々ある「PDFにエクスポート」機能
これで出力すると解像度が220dpiしかないらしい*1。
今回は本文中に画像を挿入している箇所があったこともあり、レイアウトが大きく崩れるのでNG。
その他のフリーソフト
CubePDF以外のPDF出力ソフトをいくつかダウンロードし、使用してみたものの、皆一様に壊れた。
その上、これらのソフトでは文字の埋め込み*2が出来なかった。
しまや出版のソフト
「二次創作小説同人誌を作る」という、「三桁時間を費やして一次創作として懸賞サイトに応募できるわけでもない既存キャラクターの架空行動妄想を文章に落とし込み、定期券代程度の金額をつぎ込んで冊子にして自分が見てニヤニヤする高価な砂絵のような趣味」を覚え始めたその時から、しまや出版のテンプレートを使用している、私は。
なので、同出版社さんがWord入稿用のPDF変換アプリを配布していることを知って私、感動しながらダウンロードした。結果としてPDFは壊れた。あと、この印刷データはしまや出版でしか使えない。私が使いたいプランだと100部~しかプランがない。諦めた。
Word入稿に対応している印刷会社を探す
何に付けても、使用フォントを変えたくなかった。
あと、印刷会社のPCなら、もしかするとPDF化というか、不思議な何かしらの魔法があってどうにかなるのではないかと祈っている段階。
今回調べた限りでは以下の印刷所が「Word入稿」を受け入れていた(2024/4/7時点)
しまや出版
前述のWord入稿アプリを使って変換し、入稿するらしい。
つまり私のケース(変換がそもそもできない)ではどうしようもないと思う。
緑陽社
Word入稿に対応しているようだった。(1営業日加算される)
ただし最小部数が30部~かつ、私が想定しているページ数だと予算を大幅に超えるため、断念。
株式会社ホープツーワン
Word入稿に対応しているかつ予算内だったため問い合わせたところ、「このプランで扱えるのは原則記載の使用推奨フォント。フリーフォントは原則非推奨、これを使いたい場合はPDF化して入稿頂く方が確実」という旨の回答だった。
幻ノにじみ明朝(フリーフォント)は勿論使用推奨フォントに記載がない。断念。
好みのフリーフォントを同人誌で利用するためにはどうすればよかったのか?
今の私の実力で出来そうなのは
— ねね (@nn_rstm) 2023年4月15日
・諦めてフォントを変える
・意を決してクリスタと戦う
この二択である───────(たぶん)
Twitterで似たような現象に直面している同人オタクはいないか泣きながらリアルタイム検索している時に唯一見つけた私の光ことこちらのアカウント氏は、恐らくイラストも嗜まれていることからクリスタを利用して、PDF化に向かないフォントを使用しての小説同人誌原稿を作成されたものと思われる。
私の光(他人のアカウント)を見るに、たぶん、PDF化に向かないフリーフォントを使用したい場合は、「画像編集ソフトを使用しての小説同人誌原稿作成」が一般的なのかもしれない。最初から画像ファイルで作っちゃえば、そもそも変換しないんだから、何も問題ないということだ。
そう言えば過去に同ジャンルでよく小説同人誌を手に取らせていただいた、装丁に気合いが入った同人オタクの方は原稿にPhotoshopを使っていたなと思いツイートを遡ったところ、「Photoshop手放しちゃったからCanvaでやってる」というツイートを見てしまって泣いた。弘法は筆を選んでいないのである。
一太郎やAdobe有料版等は、そもそも確認していないのでわからない。
その辺りを使用することで、私は幻ノにじみ明朝を本文フォントとして利用することができたのかもしれない。
閑話休題
自分が労役に服している部署とは異なる部署に、フォントのソムリエがいる。私が勝手にそう思っているだけで、本人を前にそんなことはおくびにも出したことがない。名字だけ知っているような間柄である。名前もディスプレイに表示されているが、読み方がわからない。
このソムリエはフォントを見分ける目を持っているので、提出書類中に混在するMS明朝と游明朝を見分け、「ここだけフォントが違うので、意図がないなら修正お願いします」というコメントを入れて戻してくる。
私は当該資料の作成者だが、このフォントが部分的に切り替わっていることに全く気付いていないので、カーソルを合わせて初めて気付く。
フォントを変えることにした
だって、フォントのソムリエはきっと気付いてくれるだろう、このフォントの違いに。
私は野良のフォントのソムリエに賭けることにして、幻ノにじみ明朝としていたパートを游明朝に変更した。
あれほど愚図っていたCubePDFはあっさり起動し、100時間原稿は無事PDF化。私はつつがなく小説同人誌の入稿を終えた。
この入稿一週間前ぐらいに手術で石灰化上皮腫(1年ぶりn度目)を摘出していますが、この手術三回分ぐらいの値段を掛けて、フォントソムリエだけはきっと気付いてくれるだろう意図を込めた小説同人誌を、本にしてもらいます。
おいもう脱字見つけたぞ 殺してくれ
— t (@_phast0lk) 2024年4月8日