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社会人ちゃんの日記

スーパースターを無配されてきた(「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」(2023))

「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」(2023)を観て、(たぶん)来館者特典としてスーパースターを得ました。

 

スーパースターというのはこれです

 

 

※以下上映中映画のネタバレを含みます。 

※キャラクターおよびカップリング妄想をするタイプのオタクによる感想なので、注意をしてください。

 

 


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あらすじ

異世界クッパが他ワールドを続々と侵略している一方、前職を辞し独立して排水管工事の仕事を立ち上げつつ実家に家族と住んでいる(推定)イタリア系移民或いはその子孫というところのマリオブラザーズが、「なんか配管がマズイっぽくてブルックリンが水浸し」というニュースをビジネスチャンスと捉えて街の地下水道に潜り込んだところ、異世界に繋がる土管に吸い込まれ、ルイージクッパ城及びそれに類するエリア(ゲームで言うラストステージ周辺)、マリオはキノコワールド(ゲームで言う1-1面)に飛ばされてしまった。マリオは敵地にワープしてしまった弟を救うため、現地の統治者(ピーチ姫)の手を借りてキノコを喰らい、己の肉体を強化する。

 

クロスオーバーが異様に上手いオタクの手による金のかかった二次創作を見ている気分になってオタクは頭が気持ちよくなる。

凄い!! 

ストーリーもわりと面白いんですが、そもそも自分がこのシリーズのゲームをプレイしたことがあるので、知ってるギミックを見ると脳が気持ちよくなります。

オリジナルキャラクターが激しく本筋に関わってくることも無く、既存キャラクターのオリジナル設定が目立つという程でもなく、というか、そもそもがアクションゲームの操作キャラクターとNPCなので、「これは映画オリジナルの設定」と言われる程人格への解釈がはっきりしていないということもあり、見慣れた構図の豪華バージョン、知っている効果音、そのギミックを用いた派手なシーンが、ひたすら頭にスッと入って来る。飲み慣れたものを口に宛がわれている感覚。

ピーチ姫については結構映画オリジナル解釈というか、映画で初出した設定の要素が強いのではないかとも思いますが*1、「ブルックリンと異世界が接続している」という映画の設定*2に紐づけたと思われる説明が作中できちんと成されており、それが彼女が身を挺してキノピオを保護し、かつ名目上の「統治者」とされる彼女の生死はキノコ王国にとって特段重要でもないと思われることへの説明になっているので、個人的には違和感がなかった。

地下下水の土管を伝ってキノコワールドにやってきたことからおそらく孤児である彼女は、キノピオの手で育てられた恩を返すために剣を取るのであるし、キノピオ異世界から来た人間を何となく統治者として自分の頭に据えているだけである。

 

また、作中ではクッパがピーチ姫への恋慕をオリジナルソングにして歌い上げるシーンが複数存在しますが、ゲームでも毎回ピーチ姫を拉致して騒動を起こしているので、映画でなんか、「幸せな結婚式」を目掛けて奔走しているにしても、そこまで違和感という程のものは私は感じなかった。

この恋愛脳クッパが「ピーチ姫との結婚」という目的を達成しつつある段階でも有害であるし、ピーチ姫をして「イカれている」と言わしめるに足る狂いを見せているところがオタクは結構好きです。あるキャラクターが恋のために狂ってるんじゃなくて、最初っから狂ってるのが恋によってピアノを弾き語りしているんですね。キャラクターの言動がここでかなりわかりやすく描かれているように思えて私は好きだなと思った。

 

本作ではドンキーコングが途中からクロスオーバーしてきます。

ドンキーコングは友達の家にあったかなかったかしたものを数回プレイしたかしないかレベルでシナリオのことを全く知らないながら、全く問題なく楽しめた。

作中でのマリオとのホモソーシャルな交流シーンがね、オタク(一人称)は好きです。

しかしヒロインであり後輩であるルイージとの関係がオタクの二次創作において最も強く意識されるのではないか、というのはオタクなのでよくわかりますし、何となればTwitterおすすめでスーパーマリオブラザーズというべきか、スーパーマリオ腐ラザーズといった趣旨のツイートが散見されている。わからんでもない。実質クッパの用意した結婚式場を存分に使って兄弟の再会をしっかり見届けましたので、観客は参列者であり証人でもあるわけです。? 

あとクッパ城地下に囚われていた「死は救済」くんの夢小説は絶対この世に既にあると思います。ありますよね? 信じていますよ。

 

 

 

80年代の曲を作中に入れてくるのはIlluminationの手癖なんだと思う

作中ところどころIlluminationの手癖っぽいなという描写はあったように思いますが、そもそも私はIllumination作品では怪盗グルーのシリーズとミニオンズを見たぐらいでしか知らない。

Wikipediaに配給会社の作風?について何か書いてあるかと思って見てみたところ、Despicable Me(怪盗グルーを主人公とするシリーズ)って来年(2024年7月)に公開予定なんですね!?*3 

孤独な中年であり悪党であったグルーが回を追うごとに人とのつながりを得、関連シリーズ最新作である「ミニオンズ フィーバー」では、孤独であった子供時代を回想するなかで師と仰ぐ存在とその思い出を得るという離れ業を成しましたが、4で彼は何を獲得するのか、あるいは獲得に関わらず何らかの異なる筋書きになるんでしょうか? 楽しみですね。

 

急にオタクが喋り出しましたが、

 

今回のスーパーマリオ映画でも何となくこれIlluminationの手癖っぽいなというところがあり、それは軽妙な掛け合いであったりよくわからんし本筋にもあんまり関係のないことを言うが妙に強いキャラであったりするんですけれども、わかりやすいものとすると80年代音楽を結構挿入歌として使ってくるところかなと思っています。

なんか知ってる(そしておそらくカセットテープやカーラジオで聞いたことがあるという経験から、若干チープな印象のある)曲が流れることもあってか、シナリオに関わらず全体的に軽い雰囲気の娯楽映画として話が進む傾向にある(と思う)ので、個人的にはこの会社の配給作品は結構見やすいなと思っていますが、SING等は見ていないので実際何とも……というところもね、あります。現状の体感では見やすい。

 

 


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ところでラストシーンなんですけど

スーパーマリオブラザーズは結局異世界に留まることにしたんでしょうか?

それとも単純に実家から独立し、少なくともブルックリンより賃料は安いであろうキノコワールドの城下町で暮らしつつ、仕事自体はブルックリンで継続しているんでしょうか。

オタクの皆さんはどう考えますか? 

個人的には後者推しです。折角マリオの親子関係が上手く回り現実世界でなんか上手くいったところ、その立役者たる彼らが他界で暮らすのはいきなり話が物悲しくなるな……と思ったから。

でも巨大キラーが土管に詰まったとはいえ、キノコワールド他の異世界住人がみんなあるべき場所に帰っているっぽいところを見ると引き続き土管は機能しているように思いますし、スーパーマリオブラザーズ異世界で暮らすにしても彼らは里帰りとか余裕でするんだと思います。

 

 

*1:公式サイトのキャラクター紹介によると「クッパにさらわれてしまう」の一文のみのため、少なくとも王国統治に積極的な関与をしているキャラクターではないと思いますが、そもそも王国自体がゲームにそこまで関わってこないのでどうということもないんじゃないか…… (参考)スーパーマリオブラザーズ | 任天堂 (最終閲覧日2023年5月27日)

*2:厳密には映画の設定ではなく、ゲームの裏設定 (参照)マリオ映画公開記念!宮本茂さんインタビュー 制作の始まりから驚きの設定まで – ページ 2 – Nintendo DREAM WEB (最終閲覧日2023年5月27日)

*3:イルミネーション (企業) - Wikipedia 最終更新 2023年5月22日 (月) 08:36版(最終閲覧日2023年5月27日)