tanpa

社会人ちゃんの日記

沈まれ俺の左腕

 

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11月末から突如として私の人生に再ポップアップした石灰化上皮腫を切除する! これから*1

以前の石灰化上皮腫も3月頃、皮膚科処置室で卒業ソングを聞きながら切除された覚えがある。さよならは悲しい言葉じゃない。つまり、あの時聞いた曲はYELLだったんじゃないかなと思います、いきものがかりの。

 


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2020年3月、卒業旅行と称して2月は2週目辺りから向かったスペイン・ポルトガルから帰国した後に手術を受けた頃(つまり2020年3月頭)は、新型コロナ対応でここから先一切の予約が取れなくなるであろうとされた時期だった。その時期にあまり急ぎでもない手術を受けることが出来たのは、それ以前から予定を入れていたからだ。

この手術の予約を取った時は、恐らく、まだ新型コロナウイルス武漢の範疇内に留まっていたように思う。文字通りに、対岸の火事の状態だった。

2月(海外旅行中)は、件の豪華客船で感染拡大。その時滞在していたマドリードのバルでニュースを見た覚えがある。また、確か同時期に韓国では宗教団体で感染が拡大したという話があり、これはまるでパンデミック小説の筋書きみたいだね、というツイートが、オタクの界隈でバズっていた記憶がある。

 

自分の帰国と前後して、「スペインからの帰国者」が新型コロナウイルス感染症を発症したということで大きな取り上げられ方をしていた。しかし、私が旅行していた頃(つまり、2020年2月中旬)、スペイン「本土」での感染者はゼロだった。現地ニュースが言うことにはマヨルカ島だったか、観光客の出入りが多いリゾートアイランドに限られていた。

2020年3月頭に私が手術を受けた病院は、地域の基幹病院だった。なので、念のためマスクをつけて行ったような覚えがある。この年の3月末からは各自治体で外出自粛令が出るようになり、公立博物館・美術館は臨時閉鎖された覚えがある。思い返すと感染拡大ってめっちゃ早かったんだな、と思う。

 

今は、今月13日からマスクの自己判断化が政府から発表されていますが、普通に花粉が凄いらしいので、手術を受けに外を出歩いた感じだと、七割程度がマスクを着けている感じだった。

個人的には、他人のマスクの有無に対する精神的なガードが、一時期より随分緩くなった感じがあるが、これはお上から出たマスク自己判断の御触れや、「春だから」という要因よりも何よりも、自分が感染済で、おそらく免疫がまだ残っているから、というところに尽きるようにも思えますが*2

 


===この間に手術を受けた===

 


大学病院で切除をした。

 

私はこの病気(つまりは外来摘出手術)以外で大学病院に掛かったことがないのでよくわかりませんが、大学病院に行くと、複数の白衣の方々に取り囲まれるので、面白いと思っています。

 

大学病院に行くと複数人に患部を取り囲まれ、私を囲んでおきながらも、私の人格もとい頭部へはほぼ一瞥もくれずに、ああでもないこうでもないという話(おそらくは、診断の精査に近い話し合い)が始まる。

この時、私自身つまり人格が、私の身体にある患部の付属物と成るような感覚があり、それを面白がっている。

これが大学病院以外の、例えば総合病院なんかだと、ここまで露骨に取り囲まれることはない(そんな覚えがある)し、患部写真撮影の機会もなかった(ような気がする)。育成機関を兼ねているからこその面白空間だと思います。

 


 


最初に通された診察室で「これ前回見たときより育ってない?」「ブツの上に血管通ってる? だったら通常の切開の方法じゃだめだ……どうやって切る?」「血管はブツの下なんじゃないかな」「もっと熟練の人呼んだ方がいいんじゃない」等、私の患部とその摘出方法を議題にした話し合いを聞き流した後、「処置室で問診したら始めるのでこの部屋に来てね」と言われ、言われるがままに部屋に向かうと、そこが処置室だった。

皮膚科は処置室でフランクに切り付けてくる。診療台に横になるように促され、そこに横たわると、歯医者みたいに台座が上がって行った。

 

「これが一番痛いですよ」という予告付き麻酔を打たれた後、切開! 

するとなんか、予想と違うものが出てきたらしくて、執刀されている面々から私の患部に対して「何これ」「癒着してるかも」「絞れそう?」「出て来なさそう」「これは粉瘤じゃないね……」「これどうする?」というコメントが散発。

さらに、カーテンで仕切られただけの隣室で同時並行されているらしい他の患者さんへの声掛けと響き合って、果たしてどの質問が私の人格にされているのか(それとも私の患部を議論している処置者同士の話し合いなのか)がよくわからず、要らん事にも見当違いの返答をしたんじゃなかろうかという不安が募る。

「あっ」という声の後に、手が滑ったのか先程医師からの指示があった生理食塩水を搭載したらしいシリンジが処置台の下に転がっていき、「不潔じゃダメですよね……」という不安げな声が聞こえてくる(これは医師が「ダメでしょ」と促していたので、多分清潔なシリンジで対応してもらえたと思う)。

今この瞬間、患部の付属物でしかない私の方は意識の上で、強盗に脅されたシロモ*3の顔つきを思い出し、あれに近い顔を晒して死んだハムスターのことを思い出しながらやり過ごす。

 


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その後、「皮膜がない」や「何というか……線維化している」という患部に対する謎コメントを聞き流しながら腫瘍摘出を受け、縫合、次に私が患部を見た時には、なんか分厚い絆創膏で止血されていた。

 

実際の処置時間としては、二時間も経っていない。

数日分の抗生物質と、何故か三錠限りの痛み止めを処方される。ここで軟膏も処方される。

術後24時間が経過したら、今張っている圧迫絆創膏を取り、入浴したら自分で軟膏を塗布してケアしてやる必要があるようだ。

 

この期間患部を保護するデカ絆創膏は処方箋としては出ないので、地階の売店で買う必要があった。

医師が言うことには、院内の売店で買えるらしい。

 

直近この手術を受けた総合病院では、地下一階に入院関係の品ぞろえが揃った店があったので、なんかそういう揃った店があるのかと思って病院の地階に行ってみると、面積としては駅ホームにあるようなコンビニがそこにあった。

おそらくバリアフリーに配慮した設計になっているのか、店内に聳え立つ棚は一つとしてない。壁沿いの棚と、壁に掛けられたキャンペーン商品が、手に取れる品ぞろえの全てだった。入院患者向けの下着のようなものやちょっとしたオヤツ、コンビニ定番のおにぎりやチルド類の販売はあったものの、ガーゼどころか、通常のコンビニに置いてあるような絆創膏もない。

 

そこで少しおろついてから気が付いたんですが、そこでは普通のコンビニでは煙草を販売しているようなレジの奥エリアで、医師が購入指示をするのだろうガーゼや絆創膏を売っていた。

タバコを買うような要領で、指定された絆創膏を注文し、購入。処方箋を貰った頃には、なんだかどっと疲れた。

 

 

今は*4、三つきりしかない鎮静剤を飲み渋っていたところ、傷口から何か出て来そうな感じの「疼き」が起こるので、アシタカの腕から立ち上るアレ(タタリガミの呪い)を連想し始めた頃に薬を飲むようにしている。服用にあたっては六時間の間隔を空ける必要があるが、「六時間なんて待っていられないぜ!」という類の痛みは幸いなことに起こっていない。

とはいえ、違和感はある。なんか、ここの皮膚、縫われているな……という感じ。腕が疼く(物理)社会人ちゃん、爆誕というわけです。

 

 

*1:この一文を書いている時点では、病院の診察室にいた。

*2:2023年の正月 - tanpa

*3:TVアニメ「PUI PUI モルカー」第2話 銀行強盗をつかまえろ!

*4:はてなブログ編集ページに文字を打ち込んでいる現在時点